残念ながら多くの企業の「経営理念」は、
(若い頃の私自身がそうであったように)よっぽど心して理解促進に努めないと、
ほとんど意味の伝わらないものが多いことも事実です。

たとえば『地域社会に貢献』『顧客満足を重視』『創造』『進化』『成長』『○○産業の発展に寄与』『よりよい商品提供』‥‥

経営者にとっては突き詰めて突き詰めて考えた理念であっても、
他人からみれば、どこも似たり寄ったりの常套句に聞こえてしまいます。

自社のビジネスが、社会貢献につながる!と
信念を持つ経営者の方の意見には尊敬できます。
しかし、それをそのまま伝えても
心に届くメッセージは伝わりません。

せっかく熱い思いで描いた創業の理念も、
素通りされてしまうのです。

とはいえ経営理念とは
時代背景や流行によって変わるものではなく、
その組織の原理原則なのです。
どんな思いで設立したかを表す言葉です。
経営理念とは組織にとって
憲法と同じ重みがあるわけです。

それほど大切な言葉が
なぜ素通りされてしまうのかといえば、
時間の経過によってその真意が薄れて、
上っ面の言葉だけが残ってしまうからです。
経営者がどんな思いで
「地域社会に貢献」と発言したのかを
解説していく必要があります。

たとえば、
FC便利業を営む社長のお話です。

氏が創業間もない頃、
人里をはるかに離れた里山に暮らすおばあさんから
一本の電話が入りました。
「足が悪いので病院まで送ってくれないか」と。
市街地にあったその便利屋さんは、
おばあさんの要請に応えてあげることができなかった。
便利を売りにしつつ、
自分たちの存在が便利じゃなかった。
その悔しい思いが、創業者を決心させたのです。

「この便利屋を全国規模の組織にしよう」と。

「便利」を謳う以上は
どんな離村のお年寄りの声にも
応えられなければ存在意義がない、
と強く思ったといいます。

そうしてFC展開をがスタートしました。
実は、このキッカケと決意こそが経営理念なのです。

同社の理念を言葉にすると
「まずお客様の立場になって考える」です。

何の事情も知らないヒトが
この理念を目にしたとしたら‥‥
この文言からだけでは、真意は伝わりません。
創業のキッカケまでを深読みすることは絶対に不可能です。

だからこそ「理念を翻訳する」という作業が必要になってきます。

翻訳のやり方は実にカンタンです。

そもそもこの会社は、
どんな活動をして人様から対価をいただくことになったのか。
どうしてその商売をしているのかと、
ひもといていく作業をする。

創業のきっかけを話すことは最高の事例です。
「経営理念」の元を調べるだけで
現存社員のモチベーションが上がるはずです。

そしてその理念と似た現場の事例を探す。
それが行動指針です。

経営理念を浸透させるとは、
朝礼で唱和することではなく、
「経営理念のルーツを探る」を知り
「経営理念の翻訳作業」をおこなって
「今の現場でできていること」を
可視化することです。

組織にとっては、
間違いなく意味のあることだと思います。
それを社内SNSなどで展開する。
採用広報に使う。
顧客ファンを拡大させる。
そのために情報を発信していきましょう。

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こちらの記事は 2021年10月14日に公開しており、
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